CALXsurvey 質問(Q&A)
★ CALXsurveyソフトに関する質問
本ソフトを利用されているユーザーや本ソフトへの問い合わせをされた方々の多く寄せられた質問に回答したものです。
質 問 |
回 答 | |
1 |
基準点から中心線等の測設計算を行う場合、平面距離を現地距離に逆投影するということはどういうことですか。 |
基準点の座標値は平面直角座標系上で平面距離と平面方向角により計算されます。 基準点測量で測定された斜距離は高低角により現地球面距離にします。そしてその地点の標高とジオイド高により楕円体上(GRS80楕円体)の球面距離に投影します。さらにその地点の縮尺係数により球面距離を平面距離に変換します。 そのようにして求められた平面距離は現地の測定距離とはおのずとしてちがってきます。 中心線等の座標計算は平面上の計算値ですので基準点から測設する場合、現地の距離に換算(逆投影)しないと正しい位置に設置できないことになります。 |
2 |
水準網平均計算で2級水準測量のデータを入力する場合、入力データが小数点以下4位に表示されているのはなぜですか。 |
1級水準〜簡易水準まで全ての平均計算に適用するため、入力データは小数点以下4位で表示しています。 |
3 |
基準点測量トータルシステムの点検計算で点検路線数に制限はあるのですか。 |
1路線の点検データを読み込んで処理(出力)してから、次の路線の点検データを読み込みますので、理論的には無限の点検路線が処理できるはずです。 しかしながら、厳密(簡易)網平均計算の計算の制限等を考慮すると、べらぼうに大きくしても意味がないので、下記に示す数を設定しています。 * 全方向数 MAX = 30000方向 * 路線数 MAX = 2000路線 * 1路線の節点数 MAX = 100点 |
4 |
厳密網平均計算と簡易網平均計算の違いを教えてください。 |
厳密網と簡易網の平均計算の違いは1言では言い尽くされませんが、簡単に申し述べますと 簡易網平均計算は、平面直角座標系上に投影された水平角と平面距離と高低角を基に方向角と座標及び標高を別々に理論的に解くことです。 簡易水平網平均計算は、まず路線ごとに観測方向角を求め、交点の指定方向角を各路線の測点数の逆数を引数に重量平均し、全ての交点の方向角を確定します。次に確定した方向角と平面距離により各路線ごと に観測座標を求め、交点の座標を各路線の路線長の逆数を引数に重量平均します。各々の交点の座標が確定すると各路線の閉合差を各測点に配布します。 簡易高低網平均計算は、水平網で平均された座標値を基に各測点間の平均基準面距離を算出して高低角・器械高・目標高により各路線ごとの標高を求め、交点の標高を各路線の路線長の逆数を引数に重量平均します。各々の交点の標高が確定すると各路線の閉合差を各測点に配布します。 厳密網平均計算は、基準面上(GRS80楕円体)に投影された球面水平角と基準面距離と高低角を基に角度と距離の単位の違う未知数を同時に解くことです。(楕円体を使用するため、仮定値は出来るだけ最確値に近いこと) XY網平均計算は、平均計算要素「mt、ms、γ」がありますが、この要素により距離の重量を角度の重量に換算し、球面水平角と基準面距離を平面直角座標系に投影して、重量平均します。 高低網平均計算は、XY網平均計算結果の座標値を基に、各測点間の平均基準面距離を算出して高低角・器械高・目標高により、標石上面の標高を求め、重量平均します。 そのようなことから、XY網及び高低網平均計算の単位重量当たりの標準偏差は秒位で表示されます。 |
5 |
CALXsurveyソフトの表示・出力は、メガソフト株式会社のソフト「MIFES
Ver.5.0以上」で行います。とありますが、別途このソフトを購入しないとファイルの出力ができないのでしょうか。 |
本ソフトの入力データ、計算結果等の表示・出力はメガソフト株式会社のソフト「MIFES」を基準に作成しております。 他にWindowsの標準ソフトメモ帳、ワードパッド等でも出力できますが正しく出力される保証はありません。「MIFES」ソフトの出力に最も近いのが「ワードパッド」です。 特に精度管理表のように罫線を出力される場合は、MIFESソフトが必要になります。 |
6 |
厳密網平均計算(観測方程式)及び簡易網平均計算(観測方程式)には、国土地理院の登録番号がないのですか。 |
国土交通省国土地理院は、網平均計算等の電算プログラム登録の受付を平成13年4月1日より廃止いたしました。その後に検定を受けたプログラムは、検定機関の検定番号のみとなります。 今後の電算プログラムの管理は、作成者の自己管理によります。 |
7 |
高低網平均計算で入力データの箇所に「基準面上の距離」とありますが、これはどういう時に入力されるのですか。 また、理由(必要性)を教えてください。 |
高低網平均計算は、「高低角」「基準面上の距離」「器械高」「目標高」の要素が必要になります。 一般に基準面上の距離は、XY網で計算された平均基準面距離を使用しますので測点間の「基準面上の距離」は入力しません。観測点に偏心があったときのみ入力します。 観測点に偏心があった場合、「高低角」の観測は偏心点から次点までになりますので、「基準面上の距離」も偏心点から次点までの球面距離を使用(入力)しなければなりません。 「器械高」「目標高」は本点から偏心点までの高さに換算する必要があります。「ダウンロード」「CALXsurveyサンプ ル出力ファイルのダウンロード」「基準点測量トータルシステム、偏心補正計算簿.pdf参照」 |
8 |
どのような電子野帳データが取り込み可能ですか。 |
電子野帳の種類は、 ・標準フォーマット(APA) (財)日本測量調査技術会 ・トプコンフォーマット ・ソキア SDR7(SDR3P) ・ソキア POWER SET(SD_format) ・ジオジメーター 600 が取り込み可能です。 |
9 |
基準点測量トータルシステムの観測で直・反の鉛直角観測が必要な理由を教えてください。 |
公共測量作業規程の準則、第42条 TSによる点検計算の許容範囲に標高差の正反較差制限があります。その制限を確認するため、鉛直角の直・反観測が必要になります。 |
10 |
基準点測量では一般に器械高・目標高の統一を行っているようですが、開発管理者はどのように考えますか。 |
確かに器械高・目標高の統一は、電子野帳への入力ミス等が少なく理想ですが、器械の設置作業に時間がかかり、正確さに欠け、高さの統一はあまりメリットがないように思われます。特に4級基準点測量のように辺長が短い場合、高低差の正反較差に影響します。 器械高・目標高は自由に設置し、高さを測定して測距の測定線と鉛直角の視通線が平行でない場合、「高低角補正計算」により補正した方が良好な結果が得られるのではないかと考えます。 |
11 |
他の測量ソフトとの互換性はどのようにしていますか。 |
SIMA_Formatファイルによりデータの受け渡しを行っています。 また、作図に関しましてはAutoCAD(DXF)変換が可能です。 |
12 |
基準点測量の網図で、点検路線数が分からないのですが、簡単に分かる方法はありますか。 |
点検路線数=路線数ー交点数 を参考にされたらよいかと思います。 |
13 |
電子野帳データを、他社のソフト(測量専用ソフト)で読み込みかつ保存したデータは、CALXsurveyソフトで使用できますか。 |
使用は可能です。 ・ファイル名を変えて取り込む。 ・ファイルの内容をコピーして取り込む。 の2通りの方法がございます。 |
14 |
視通のない既知点が2点あり、その間をトラバース測量で結んだ場合、厳密網のソフトがあれば方向角の取り付け無しに計算できると聞きました。 本当に可能なのでしょうか。 |
厳密網平均計算(観測方程式)は、観測データのみで形(網図)が決まれば解くことは可能です。 方向角取り付け無しの他、開放・放射路線が含まれていても解くことは可能です。またトラバースに限らず、三辺のみ、三角のみ等の網も解くことが出来ます。(観測方程式の利点) |
15 |
基準点測量の交点の観測で、自然目標(避雷針等)を零方向に定めて観測する方法は正しいですか。 |
そのような観測は不可です。網の中に架空の点を設けること自体がタブーで、無駄な観測を増やすだけです。 交点に集まる方向の1方向を零方向に定めて観測すれば、零方向の路線は観測点数が1点少なくなります。また、簡易網の指定方向に設定すれば網図もすっきりするでしょう。 |
16 |
厳密網平均計算で新点数が計算の制限を超えてしまった場合、どのような計算をすればよいですか。 |
2地区に分割して計算処理してください。 各地区ごとに平均縮尺係数、平均ジオイド高を求めてください。 |
17 |
1業務の基準点測量で既知点位置の関係上、網図が2地区に分かれてしまいます。 このようなとき平均計算はどのようにいたしますか。 |
原則は2地区に分けて計算処理します。 平均縮尺係数・平均ジオイド高が地区ごとに変わります。 平均計算は2地区をまとめて行うことはできるのですが「単位重量の標準偏差」が変わります。(厳密網平均計算の場合、平均結果は変わりません。) |
18 |
路線測量の横断測量で器械を盛り換える(TPする)時、TP点はどのような点名を付ければよいですか。 |
盛り換え点及び方向杭には地点名の最後に(K)を付けてください。 左側の測定で、L1、L2 ・・・L13で盛り換える場合、L13Kを付けてください。(コメント欄に杭高を入力します。) 盛り換え器械点名も同様にL13Kにしてください。 |
19 |
路線測量の横断測量でポール横断を行った場合、どこで入力しますか。 |
「観測データ作成」において、各種電子野帳より取り込んだ観測生データを「観測データファイルの作成」により、観測データファイルの形にします。 その後「観測データファイル」を開いて、追加入力してください。 |
20 |
基準点測量トータルシステムで観測点に偏心がある場合の観測方法を教えてください。 |
TSを偏心点に設置し、視準点の零方向を選定して、各視準点方向を所定の対回観測を行います。(本観測) 同じく偏心点において、零方向と偏心点の本点を所定の対回観測を行います。(偏心要素の測定) TSを本点に移動して、本点〜偏心点までの鉛直角「反」測定を所定の対回観測を行います。(偏心要素の測定) 偏心点の次点の観測は、零方向を選定して各視準方向を対回観測しますが、偏心点方向は本点の視通の有無にかかわらず偏心点を観測してください。「システム処理上 の問題」 |
21 |
基準点測量トータルシステムで相互編心は計算処理できますか。 |
システム上の問題で、計算処理できません。 |
22 |
基準点測量トータルシステムの点検計算で点検路線の中に開放路線が含まれていますが、どのような時に使用するのですか。 |
点検計算は既知点から既知点へ結合もしくは閉合させて観測の要素(水平角・鉛直角・斜距離等)及び既知点の異常の有無を点検するものです。 したがって点検計算に開放路線を組み込むこと自体が矛盾しています。 あえて開放路線を追加した趣旨は、補助基準点等の放射基準点を含んだ網を厳密網・簡易網で同時に解く場合、概算標高・概算座標を得る手だてとして追加いたしました。 上記のような場合はごく特殊なケースですので乱用は避けなければなりません。 |
23 |
水準網平均計算で地盤沈下の計算を行う場合、旧観測データの作成方法を教えてください。 |
変動補正計算で、地盤沈下の旧成果データ作成方法 ・観測データの観測の基準日を 0.0 にする。 ・水準網平均計算開始 → 正常終了すると、現場フォルダに新成果ファイル[ Level_Seika_New.dat]が作成されます。 ・新成果ファイル名を[ Level_Seika_Old.dat]に変え、旧成果ファイルとする。 ・旧成果ファイルを開いて、旧成果表の値に修正する。亡失等で旧成果と比較できない場合は、標高=0.0にする。 ・観測データの観測の基準日を「元」に戻す。 ・再平均計算開始 : |
24 |
対回観測で0°セット観測はどうしていけないのですか。 |
「観測」と「設定」とは根本的に違います。 2方向で1対回の観測を行う場合、合計4回(方向)の観測をします。4回測定された観測値は全て同精度の値でなければなりません。 ある特定の方向だけ観測値を「設定」するのはいかがなものかと思います。特に方向数がたくさんある観測の場合、零方向の観測値は重要になります。 セット観測は0度輪郭を2回観測したのと大差ありません。したがって表面上は倍角差・観測差の値は安定して現れてきますが、観測の良否を判定する材料になりません。 セット観測しようがしまいが、目に見えて精度が変わるわけではありませんが、「観測」をするという姿勢が大事ではないでしょうか。 |
25 |
電子野帳で対回データと放射データをごちゃごちゃに取り込んでしまいました。 CALXsurveyソフトで使用するにはどうしたらよいですか。 |
一つの現場で対回・一対・単角データを混在して取り込んだ場合、本ソフトにダウンロードするとき、「基準点測量トータルシステム」に全部のデータを取り込み対回データ以外は削除します。 また、「放射観測点の計算」に全部のデータを取り込み一対・単角データ以外は削除します。 |
26 |
平均縮尺係数の計算・平均ジオイド高の計算について。 「既知点全点の平均ではありません。」との注意書きがありますが、具体的な算出方法はありますか。 |
平均縮尺係数の計算 作業地域全体の既知点Y座標の中で「最小値」と「最大値」を入力して求めます。 平均ジオイド高の計算 使用した既知点全点の平均ですと既知点の配点位置の偏りにより、作業地域全体の平均ジオイド高と多少の差違が出てきます。 作業地域全体の形を考慮した(平均ジオイド高が算出できる)既知点を選択された方がよいでしょう。 |
27 |
標高の点検計算で、偏心観測を行った路線において、本点から偏心点を経由した点検路線になっているため、観測点数が1点多くなり、精度許容値の数値も変わる事になります。 このことについて、開発管理者はどのように考えますか。 |
標高の点検計算の目的は、高低に関するデータ(高低角・斜距離・器械高・目標高)の点検、直反観測による比高差の点検及び既知点標高の点検を行うものです。また、各新点の概算標高を算出して測定距離の標高補正を行うことを目的としています。 記載例では「高低の精算」を先に行い、「偏心点の器械高及び目標高を標石上から換算」計算をして器械高・目標高を本点からの高さに換算して、その値を使用して点検計算を行っています。 しかしここで考えなければならないのは、偏心要素の測定データも本観測のデータ同様、上記点検目的をクリアすべく、まず偏心要素として使用できることを確認しなければなりません。 そのため点検路線に偏心点を経由することで偏心要素の測定データの点検及び偏心点の概算標高を求め、その後に偏心補正計算が行われるのが計算の手順ではないかと考えます。 また、システムの処理上、上記の手順になってしまいます。 実際に本点と偏心点の2点で観測を実施していますので1点多くても当たり前と考えることもできます。 |
28 |
厳密網平均計算簿で、出力された計算簿の見方と言いますか、この数字はどういったものかという様なマニュアルみたいなものがあればたすかるのですが・・・。 ここに出ている数値はこういう意味だといった簡単な注釈で構わないのですが。 |
本URL中の「ダウンロード」「CALXsurveyサンプ
ル出力ファイルのダウンロード」「厳密XY網平均計算」をダウンロードして「厳密網平均計算(解説付き).pdf」を参照してください。 |
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3・4基準点の成果表で、1点1枚の罫線付き成果表を出力したいのですが。 |
基準点測量の成果表は等級により2種類の成果表を出力いたします。 1・2級基準点の場合、1点1枚の罫線付き成果表で出力いたします。 3・4級基準点の場合、1用紙に路線ごとの成果表で出力いたします。 3・4級基準点で1点1枚の罫線付き成果表を出力したい時は、平均計算で精度区分を「等級以外の計算」にして平均計算要素を4級の場合、 (mt=13.5、ms=1.0、γ=5.0)を入力して、平均データを作成してから平均計算してください。 既に平均データが出来上がっている場合は、現場フォルダ内の「T_Toukyu.sav」を開いて「1,5」に修正して平均計算から計算してください。 詳細は、本URL中の「ダウンロード」「取扱説明書」「基準点測量」をダウンロードして、「厳密網取説」「4.成果表の作成」を参照してください。 |
30 |
基準点測量で全ての観測が終了した後に、路線を追加して観測する場合、注意する点はありますか。 |
追加路線の起・終点の観測は、器械高と零方向の測点を前回の観測と同じにしてください。 「観測データファイル」に同じ点名が2つ以上に分かれていると、点検路線を組成するときに夾角を算出できない場合が生じてきます。 それをさけるために、同一観測点で2回以上に分けて観測した場合、1度に観測したように「観測データファイル」を修正してください。 平均計算の時は、平均データを実際に観測した状態に戻してください。(標定誤差の値が変わる。) |
31 |
1.平均計算の有効桁数と平均法について、どのような関係があるか知りたいのですが、平均法がどうあれ途中の計算では四捨五入するわけですね。 2.数学モデルはどうしてますか。 精度と有効桁数と平均法について、ソフト上でどのように実現されているのか知りたいのですが。 |
1.網平均計算の原則は演算〜結果まで、演算する計算機の最大有効桁数をフル使用します。 帳票等に出力する時に指定桁数に四捨五入して表示します。 2.網平均計算は観測方程式で解いています。 求点の仮定値に対する観測値の誤差を観測方程式に組成して行列を解き、補正量を求めています。 仮定値に対する補正量を求めるだけなら観測方程式の行列を解けば良いのですが、観測値に対する補正量及び標準偏差も同時に必要ですので、正規方程式に変形して逆行列を解くようにしています。 |
32 |
簡易網平均計算(観測方程式)の詳細ですが、任意多角形の同時網平均も可という場合において、観測方程式とは厳密網平均計算(観測方程式)に用いる計算式と同じということなのでしょうか。 簡易網というと従来、条件方程式における定型網に置き換えてと考えてしまうのですが、簡易網平均計算の任意多角形の同時網平均もあるという解釈で宜しいのでしょうか。 |
簡易網・厳密網・水準網とも平均計算方法(最小2乗法)は全く同じです。それぞれの網の観測値により観測方程式を組成します。以下、行列を解いて補正量を求めます。 ご指摘の通り、簡易網にはX・Y・H・A型等の定型網と形にとらわれない自由網があります。 一般に定型網のようには形が決まっている場合は条件方程式を採用し、自由網は観測方程式を採用しているようです。 条件方程式は手計算が主流の時代には有効でしたが、未知数が3点以上の網は現実性に乏しいです。 自由網の観測方程式は定型網も包括した解き方ですので、今後は観測方程式の解き方をご理解されることを推奨いたします。 |
33 |
基準点測量で既知点に方向角の取り付けがない網が含まれている場合、簡易網平均計算は処理できないのですか。 |
簡易網平均計算で、方向角の取り付けがあったり、なかったりする混在路線の場合、方向角の偏差の算出方法が判りません。 方向角の取り付けを欠いた場合は、「厳密網平均計算」を利用してください。 |
34 |
基準点測量の点検計算で、制限内に入るので、厳密網平均計算に進んだ時、高低網平均計算の単位重量当たりの観測の標準偏差がオーバーする場合がたまにありますがどういう原因なのでしょうか。 その場合どのように処理すべきなのでしょうか。 |
この問題は質問者に限らず開発管理者を含め、多くの測量技術者が懸念されるところでございます。 未知数の数に比べて観測方程式の数が少なめの場合に、このような傾向があるようです。 インターネットでこの問題の解説がありましたのでご紹介いたします。 http://atmsp.aisantec.com/atmspark/images/b-plus/pwqa/clc-general/kote-hyojunhensa.htm 測量計画機関と協議して解決するのが妥当だと思います。 |
35 |
基準点測量で、点検測量の較差について精度管理表に記載される点検測量の採用値と点検値の較差は記述するだけなのですが、比較する制限などあるのでしょうか。 |
基準点測量の点検測量で較差制限は特にないと思います。 精度管理表に較差制限を表示する欄もありません。しかし、あまり較差が大きいと技術力の評価に影響するかもしれませんね。 |
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CALXsurveyソフト起動時に「MIFESソフト(MIW.exe)」のパス設定を一度だけ行ってください。と書かれていますが、よく理解できません。 |
「MIFES」ソフトのパス設定について、 各ソフトの在処は各ユーザーのPC環境下では違う場所にインストールされていることが多いと思われます。 本ソフトの配布時では「出力ソフト」のパス設定を空欄にしており、起動時に一度だけ(MIW.exe)の在処を指定していただくことにしています。 「出力ソフト」に限らず、「Excel.exe」「Acrobat.exe」も使用するソフトの場所で指定していただくことになります。 |
37 |
4級基準点成果表の方向角(秒)の数値が決定座標値を開いた数値と少し差があります。プログラム内部の計算は6桁にて行っているのでしょうか。 また、座標リストで6桁表示を選択しても4桁目以降000となります。6桁表示の操作方法がありましたら教えてください。 |
網平均計算等の計算過程は計算機機能のフル桁で行っております。 計算簿・成果表等に出力するとき、必要桁に丸めて(四捨五入)表示します。 作業規程では 距 離 : o位 方向角 : 1・2級(秒以下1位)、3・4級(秒位) 座標値 : o位 経緯度 : 秒以下4位 標 高 : o位(1・2級はp位でもよい) ジオイド高 : o位 となっております。 基準点測量の座標値の信用性はo位で十分です。 本ソフトで小数点以下6位表示の目的は、準備計算や中心線の座標計算を行う場合、また面積割り込み計算等で計算誤差をできるだけ少なくするために表示するようにしています。 基準点測量で、o位以下の表示を求められることがありますが、ただ数値遊びをしているだけで意味を持ちません。 |
38 |
縦断測量の観測ですがアスファルト等、杭高=地盤高の時ミリ観測して四捨五入でしょうか、切り捨てでしょうか。 社内で議論しましたが、結論に至っていません。 私としては2.519が2.51となるのはおかしいと思いますが・・・。 |
直接縦断測量の観測値は杭高・地盤高とも(o位)でございます。成果表作成時に地盤高は(p位)にしています。 本ソフトでは、地盤高が四捨五入で杭高より高くなるのはおかしいと考え、全て切り捨て表示しています。 これは開発管理者なりの考え方です。それが正しいのか正しくないのかは判りません。 |
39 |
作図は何に対応されているのですか。また、どのような作図が可能ですか。 |
作図は、dxfファイル形式へ変換しています。 現在、作図可能な図面は、 ・座標点の展開 ・等高線の作図 ・基準点網図 ・路線縦・横断図 ・河川横断図 です。 |
40 |
任意座標系でトラバース計算する際、縮尺係数を掛けることはできるでしょうか。 確定測量の際、街区基準点等のない地域の為、任意座標で測量するのですが、市(官民査定)が「縮尺係数を掛けた図面にしてほしい」というためです。 |
任意座標系はあくまでも任意であり、本件はごくごく特殊なケースと考えます。 縮尺補正とは、基準面距離(球面距離)を平面直角座標系の平面距離に補正するものです。 縮尺係数を求める式は、 s/S = m0*(1+(1/6*R^2*m0^2)*(y1^2+y1*y2+y2^2 )) m0:座標系原点の縮尺係数(0.9999) R:座標系原点の平均曲率半径(地球の半径) y1,y2:平面直角座標系の2点のY座標値 で求めます。 計算式で判るように、縮尺係数は地球規模で補正をするものです。 したがいまして、任意座標系の場合座標系原点が定まっていませんので縮尺係数は該当いたしません。 本ソフトでは、任意座標系の測定距離に対する投影・縮尺補正は行いません。 解決策としては、測定値に「その地域の縮尺係数」を乗じ、水平距離としてください。(投影補正は考慮しないのですかねぇ。) |
41 |
平成23年3月31日付で作業規程の準則の一部が改正され、楕円補正計算式は下記の計算式に変更されました。 K=5.29・Sin(B1+B2)・(B1-B2)/ρ°・H ↓ K=5.28・Sin(B1+B2)・(B1-B2)/ρ°・H この式の変更に伴い、CAKLXsurveyソフトはどのような対応をしますか。 |
この2つの計算式が楕円補正量に与える影響を検証してみました。 まず、平均標高を補正量が比較的大きく出る1000mにして、緯度差の大きい日本列島を南端部、中央部、北端部の3カ所について試算した結果、 平均標高=1000m 位 置 緯度 0.1oに影響する緯度差 緯度差を距離に換算 北端部 44° 17′ 31q 中央部 36° 18′ 33q 南端部 26° 22′ 40q のとおりです。 公共測量の水準測量で、1路線の長さが30qを超えかつ平均標高が1000mの路線はごくまれであると考え、一般的な規模の計算には現行の計算式で差し支えないと判断いたしました。 また、プログラム中の式を変更した段階でプログラム検定の認証が無効になり、再検定を行わなくてはなりません。 このようなことから、今後式の変更が必要になるまで現行の計算式を継続したいと考えています。 |
42 |
3・4級基準点測量では、XY網計算簿の枠無し成果表は出力されないのでしょうか。 |
ご指摘のようにXY網平均計算簿には「新点の計算結果」の後に「枠無し成果表」を出力するのが基本です。 本ソフトでは、3・4級基準点の平均計算簿には「枠無し成果表」を省いています。これは開発管理者の個人的な考えであります。 理由は、 ・XY網平均計算初期の基準点成果表は、「枠無し成果表」に罫線マスクを当てはめてコピー作成していました。成果表を作成する手段として計算簿に「枠無し成果表」を出力していた経緯がございます。昔はドットプリンタが主流で罫線を出力することが困難であったと思われます。 ・3・4級基準点は新点数が多く、直線的な路線(網)が一般的です。新点の視準方向も大半が後視点、前視点の2方向でございます。用紙1枚に路線ごとに羅列した形に出力した方が見やすいのではないでしょうか。 ・新点の数だけ成果表の枚数が出力されて、目的の成果表を探すのに時間がかかり不経済でございます。 このようなことから「枠無し成果表」は出力したところでさほど意味を持たなくなりました。 しかしながら、基本的な平均計算簿としては「枠無し成果表」は必要と考えます。 本ソフトでは、3・4級基準点測量に限り「枠無し成果表」の出力の有無を選択できるようにしています。 出力が必要な場合、平均データ作成時に、平均計算要素の選択を「等級以外の計算」にして、平均計算要素の値は3・4級基準点測量の要素を入力する。 出力が必要でない場合、平均データ作成時に平均計算要素の選択を「3・4級基準点測量」にします。 |
43 |
基準点測量成果表の表記方法について、 「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」により原点数値の改正が行われ、基準点成果表に「世界測地系(測地成果2011)」を表記することになりましたが、表記する範囲は、全国的なのか又は今回改正された長野県(8系)より東にある都県に限るということでしょうか。 また、観測記簿、計算簿、精度管理表等は、従来通り「世界測地系」だけでよいのでしょうか。 |
「世界測地系(測地成果2011)」の適用範囲は全国になります。 「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震」により原点数値の改正が行われました。成果改定の行われなかった北海道、西日本の基準点成果についても、改正された日本経緯度原点に基づく基準点成果ですので、「世界測地系(測地成果2011)」となります。 観測記簿、計算簿、精度管理表等は、従来どおり「世界測地系」の表記です。 成果表のみ、「世界測地系(測地成果2011)」と表記します。 |
44 |
同一地域内で、網平均計算の制限を超えた場合、複数の地区に分けなければならないと思います。 その際、注意する点を教えてください。 |
本ソフトの厳密網平均計算を例にあげますと、平均計算制限は次の通りです。 計算の制限 既知点数 ―― 100点 以内 新点数 ―― 600点 以内 観測データ数 ―― 3000件 以内 ( 測距数+固定方向数+測角方向数+測角零方向数 ) 上記計算制限の1つを超えた場合、複数地区に分けて平均計算を行ってください。
注意点をあげておきます。 |
回答の内容には、開発管理者の考え方、希望等も含まれており、必ずしも正しいとは限りません。
本ページを読まれたユーザー及び測量技術者の皆様のご質問あるいは本回答に対するご意見、ご指摘等ございましたらこちらから
承ります。